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第20回モスクワ国際書籍見本市  読書大国健在

読書好きの大イベント

9月5日から11日まで、モスクワの「全ロシア展示センター」(旧国民経済達成展示場)で、 恒例のモスクワ国際書籍見本市が開催された。ロシアと海外の出版社2500社以上が新作の展示即売を行う見本市は、 1977年以来20回目。今回は海外56カ国の代表が参加し、4万以上の作品が並べられた。恒例の新作発表会や作家の講演、サイン会なども開かれ、会場の前には連日長い列ができ、 大盛況の7日間だった。

ロシアの書籍見本市では、単なる出版の枠を超えて著名人の手記や政界の裏を暴いた新刊などが発表され、毎年話題を提供している。 今年はロシアについて率直な意見を述べた前ドイツ首相の手記が公開され、注目を集めた。また、会場ではセルゲイ・ショイグ、セルゲイ・ ヤストルジェムブスキー、エヴゲーニー・プリマコフなど、政界の大物の会見なども催された。 ロシアでは本の小売り価格は書店など販売者にまかされており、出版社のブースで安く入手できる書籍市は、 読書好きにとって見逃せないイベントである。また、市内の本屋にはない希少本を手に入れられることも魅力だ。

 

 

児童文学の新しい芽

今年の書籍市の特徴の一つに児童文学の充実が挙げられる。 ソビエト時代には国家援助のもと商業主義に走らない良質な児童文学が数多く出版されていたが、 ソビエト崩壊と共に児童文学は大きな打撃を受けた。 ディズニーなどの外国アニメの翻訳本やソビエト時代の古い絵本などの再出版というのが実情だった。しかし、今年の展示では、 ロシアの児童文学に新しい作家と人気のある主人公が誕生し、市場が活気を呈している。もう一つ今年の書籍市の呼び物となったのは 「ロシアにおける中国年」にちなんだ中国の出版産業代表の特別展示である。中国から170の出版社と20人の作家が参加。中国作品のロシア語翻訳、 ロシア作品の中国語翻訳の展示が人気を集めていた。ロシア国民の活字離れを嘆く声が新聞や雑誌によく掲載される。しかし、 買い込んだ本の重い袋を片手に、ブースに群がる老若男女の姿を見る限り、読書大国未だ健在と思える。