サンドゥノフのバーニャの歴史
サンドゥノフのバーニャの歴史は18世紀初頭にさかのぼる。
グルジアの皇帝ヴァフタング6世がロシアを訪問した際、訪問団の一人であった貴族のモイセイ・
サンドゥケリはそのままロシアに残りロシアの地で骨を
埋めた。
その孫にあたるシラ・サンドゥノフは演劇の才能に恵まれ、エカテリーナ2世の宮廷劇場の人気役者となった。
サンドゥノフに想いを寄せる女性は数多くいたが、サンドゥノフは同じ宮廷劇場の女優エリザヴェータ・ウラノヴァに求婚し、
エカテリーナ女帝のはからいでめでたく結婚した。
結婚後、 役者を辞めたサンドゥノフは、女帝から賜った金銀を資金に、1808年、ネグリンナヤ川の畔にバーニャ(浴場)を開業した。
「サンドゥノフのバーニャ」は、 豪華な内装でたちまちモスクワ中に知られ、名所となった。当時、バーニャといえば木造だったが、 サンドゥノフのバーニャはモスクワ最初の石造りのバーニャであった。また、男風呂と女風呂を分けたのも最初であった。
さらにサンドゥノフは市民だけでなく、 貴族用として高価な家具と銀器を置いた特別高級バーニャも設けるなど、あらゆる階級の人々に愛された。
現在の建物は、1896年建築家B・フライデンベルグとS・ カルーギンの手により建てられたもの。バロック、ロココ、ゴシックなどの様式を取り入れた内装は、 ノルウェーやイタリアから大理石を運び、イギリス、ドイツ、スイスからタイルを取り寄せたという豪華な造りだ。現在、 その一部は失われたものの、ゴシック調の男性用ホールやローマ風プール、入口ホールなどに当時の面影が残っている。 建物内にはレストランや休息室もある。
モスクワ市の建築記念物に指定されている。
【バーニャとは】
ロシア式蒸し風呂のこと。 大きな釜の上で熱せられた石に柄杓で次々に水をかける。水は石に触れ瞬時に蒸発して、部屋が蒸気で充満される。
サウナとの違いは、バーニャは直接蒸気を作るため非常に湿度が高くなる。 伝統的な入浴方法は乾燥させた白樺の枝で体を軽くたたく。この刺激により新陳代謝をより活発にさせることができる上に、 体によい白樺の成分が体内に吸収されるといわれる。


