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カザフ民族の伝統衣装を現代に生かす

カザフの民族衣装を見直す

 

 エルケ・ ヌルは1997年にアルマティでファリダ・メルハミトクィズィさんによって創設された。 会社の名前はファリダさんの二人の子供エルケブラとヌルスタンの名前から付けられたもの。

 中国のカザフ族出身のファリダさんは、1993年、 27歳のときに家族と共にカザフスタンに移住してきた。それから20年弱で現在はカザフスタンの女性企業家ナンバーワンと呼ばれるほどに成功した。 アルマティ市長賞や国民最高品質製品賞、カザフスタン共和国のナザルバエフ大統領の感謝状など数々の賞を受賞している。

 

 アルマティ市アバイ通りにあるスタジオ「エルケ・ヌル」 でファリダさんに話を伺った。

 

「カザフの民族衣装はカザフ人の長い歴史と文化のなかで形成されてきたものです。カザフの民族衣装は本来はとても着心地の良いもので、 女性が着れば、これ以上エレガントなものはなく、男性が着れば、男らしく堂々とした威厳のある雰囲気をかもし出します。 贈り物にも喜ばれています。成人した子供たちから両親に感謝を込めて贈りたいという注文もよくあります。また、 企業からも外国の大事なお客様向けにカザフの民族衣装を贈りたいという依頼もたびたびあります。 当社で作成した民族衣装がヌルスルタン・ナザルバエフ大統領からメドベージェフ前ロシア大統領に贈られたこともあります。 これは私にとって大変名誉なことです。

 

 映画やドラマなどで歴史的衣装が必要なときには当社にも依頼があります。 最近もドキュメンタリー映画『クルティゲン』で、カザフの英雄クルティゲン用の甲冑を作成し、高い評価をもらいました」

とファリダさんは言う。

 

 

カザフの民族衣装の良さを新感覚のデザインで

 

 現在、 エルケ・ヌルの従業員は縫製部門を含めて60人ほど。売上はオートクチュールがほぼ半分、残りがプレタポルテだ。 オートクチュールの場合は、専属デザイナー2人がお客とスタジオで相談を重ね、デザインを確認したうえで作成する。 毎日、20~30名のお客がスタジオを訪れる。

 

「今まで、 民族衣装というと、年輩の人が着るものという印象がありましたが、最近は祭日や公式の行事のような場面で、 若い人たちも着るようになってきています。 また、外で着るもののほかに着やすい部屋着もあります。 当スタジオでは現代の活動的な生活に合わせて、 カザフスタンの伝統的なデザインを織り込んだ普段着やビジネス用の服もデザインしています。 日本やそのほか外国の方にもぜひカザフの伝統衣装を試してもらい、その良さをわかってもらえたらと思います」とファリダさんは言う。

 

 ファリダさんの活動は幅広く、民族衣装の良さを広く知ってもらうため、 民族衣装モード雑誌『エルケ・ヌル』誌の発行も始めた。また2008年からはカザフの民族文化を世界に発信するために、国際カザフ・ 中国語学カレッジを設立し、中国語、ロシア語、英語などの各国言語、裁縫とファッションデザインなどを学生に教えている。

 

 

※写真上、 「エルケ・ヌル」社のファリダ社長

※写真下、 サウケレ(帽子)をつけた衣装